Wednesday, October 26, 2016

北野で考えたこと。

 北野に限らず、神戸市の重要文化財や国宝を巡って思うのは、真に人の集まる場所になっていないということと、質の向上が必要だということです。
 旅行者はとても多いですし観光地としては成功していると思いますが、有料のコンテンツに限って、中身が珍妙だったり名前負けしていたり、あるいは管理が適切でなかったりと、「一回くればもういいや」という場所があまりにも多すぎます。
 三十年前はそんな見世物小屋的発想でもよかったと思いますし、私も違和感は感じていませんでした。けれど少子高齢化は後戻りできないほど進んで、国外の情勢も大きく変わりました。
 神戸市は近隣の地方自治体と比べて愛郷心を育てようとか、住人を呼び込むあるいはとどめる真剣味が全く足りていないと思います。
 今頭に浮かぶ場所を一つ一つ挙げるのは控えますが、一見さん大歓迎のぼったくり精神で神戸市の人口減少が食い止められると思っているなら情けない話です。地域の商工会議所や自治会でできることも頭脳も足りないでしょうし、行政と専門家がある程度のブループリントを提示、あるいは適切なルールを作らないとカオスっぷりは進むばかりです。私はこんな市に税金を納めているのが悲しくなります。

 
 北野の美しい色彩と造形に溢れた景観をなぜ、もっとクリエイティブな人材育成に向けられないのでしょう。平日の稀にみる好天なのに、写真家は多くても絵を描いている画家は一人もいませんでした。海外ではありえないことで、文化の成熟した社会では異常だと思った方が良いです。
 今回一番心に残ったのは生田神社で展示されていた子供たちの絵でした。


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