Friday, April 14, 2017

Go to the north...Ancient cherry tree and secluded shrine with Fujifilm X-T2  兵庫県養父市 樽見の大桜・名草神社

1日がかりで兵庫県の養父市へ行ってきました。週間天気予報と開花情報に毎日気をもみながら、やってきた絶好のチャンスが昨日でした。

途中、丹波市に立ち寄ったりしながらも、およそ三時間で第一の目的地、国定天然記念物「樽見の大桜」に到着、前日の雨でぬかるんだ急な山道を400m登ったところに、樹齢約1000年のエドヒガンの大木が老いた体を必死で持ち堪えていました。開花を迎えるこの時期、平日でも大勢の熟年カップルが一眼この老いた桜を目にしようと、杖を片手に引きも切らず登ってきます。しかしその誰もが「綺麗」だとか「美しい」という言葉を口にしません。聞こえてくるのは老いた桜を哀れむ声や、無常を詠んだ有名な俳句の引用ばかりです。地元の人々の手厚い保護にも関わらず、老衰する大桜の状態は深刻でした。

ぬかるみで滑ると私の体よりもカメラが心配なので、上りの倍の時間をかけて下山した後、私が次に向かったのは二つ目の目的地、国の重要文化財のある「名草神社」でした。

養父市は兵庫県の中西部に位置していて、隣接する朝来市や宍粟市へは一二度行ったことがあるので、正直私は甘く見ていました。と言うのも、今回の目的地は養父市北部から西部にかけての地域で、氷ノ山や妙見山と言った中国山地の西端に当たる場所で、標高の高い山に妨げられて、想像を絶する峠道が待ち構えていました。
行けども行けども急勾配のヘアピンカーブが続き、しかも車一台通るのがやっとの道幅です。道中落石注意の標識がありますが、こぶし大の石や人の頭ぐらいの大きさの石が道の真ん中に散乱しています。いつ上から降ってくるか分からない恐怖を感じて、正直何度も引き返そうかと思いました。とは言え車をUターンする空間も無いのでもう前に進むしかありません。嫌な予感はさらに増します。遠くの山を見上げてまだ少し雪が残っているなあ・・・と感心していましたが、途中から道の路肩の雪がどんどん厚みを増していきます。タイヤチェーンはおろかスタッドレスさえ用意していません。路面が凍っていたらと思うと背筋がぞっとします。
もうここが地獄の一丁目という陰惨な気分で一時間弱ローギアで慎重に走り、やっと開けた場所にたどりつきました。駐車スペースらしき場所で車を降りて斜面を見上げると、木々の間に鮮やかな三重塔がちらほら見えます。困ったことにどこから登ればいいのか分かりません。錆びに覆われた看板にはうっすら「名草神社」の名前が見えますが、地面は厚い雪に覆われていて参道がどこにありません。諦めてこんな剣呑な場所はさっさと去りたいという気持ちでいっぱいでしたが、帰りは来た時以上に大変なことが分かっていたので、腹をくくって参道を探します。斜面が少し緩やかな場所をよく見ると両脇に石の角材が並んでいるのがちらほら見えます。他の斜面は雪がなかったとしても登れるような場所では無いので、もうここしか考えられません。雪が厚いところでは私の腰のあたりまであるので、できるだけ石材を足場にして斜面を登っていきます。途中まで進むと雪の上に割と新しい人の足跡が残っていました。足跡を辿るようにして私も雪の上を歩いていきます。凍結していないのがせめても救いでした。膝のあたりまで沈み込みますが歩けないことはありません。三重塔までたどり着いた時には身も心もへとへとでした。夏場は分かりませんが、今の季節まさに秘境と言える名草神社でした。

ドライブはヒヤヒヤさせられましたが、気候も人の言葉も以前住んだことのある山陰を思い出して、少し懐かしい気分になりました。朝来市あたりまでは道も良いのでまた機会があれば日本海側も訪ねてみたいと思います。
Tarumi-no-Ōsakura
XF10-24mm 13.2mmf/7.1

XF55-200mm 200mmf/5.6

Nagusa Shrine
XF23mmF2  f/5.6 ISO800

Nagusa Shrine
XF14mmF2.8  f/7.1 ISO800
Every photo is original JPEG.

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